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使い方
冠詞 Article は、不定の物 a なのか、特定の物 the なのかを表す。
a は「とある …」の不定の意味になる。会話内に初めて登場させる時や one of … という意味で集合内の任意の一つを指す時に使う。
- I bought a book. とある一冊の本
- This is a pen. ペンと呼ばれる物
the は、どれを指すのか特定できる場合につかう。会話内で既知であったり、暗黙的に特定できれば the を使う。
- I bought a book. The book is good.
- What is the best thing to do? 「一番良い事」は一つで特定できる
- Did you get the job you applied for? 「あなたが申し込んだ仕事」は一つで特定できる
- That bag is the same color as mine. 「同じ…」は一つで特定できる
どの職業についているかを伝える時には、「… の中の一人」という意味で a を使う。ただし職業だからといって a をつけるわけではない。
- She is a teacher. 先生を職業としている人の中の一人
- I talked to a teacher about it. She is the teacher. 「語り合った先生」で特定できる
部屋や施設は、住民内で既知であるので the を使う。
- the kitchen / the door
- the station / the bank / the post office / the theater
- the hospital / the doctor / the dentist
ただし、それらの存在を知らない場合は a を使う。
- Is there a kitchen in the apartment?
- He comes from Japan. He used to work at a bank.
go to the movies / do the dishes という慣用句がある。特定の集まりを指すため the が用いられていると思われるが、覚えるしかない。
- I’m going to the movies. 映画を見に行く(映画館では数本上映されている)
- Can you do the dishes? 皿洗いする(使った後の皿)
固有名詞
固有名詞には冠詞はつけない。固有名詞とは、「複数存在するものを区別する」ためにつけられた名前であり、この世に唯一の物を指すのではない。
- I live in Tokyo. Tokyo = 複数都市を区別するための名前
唯一の物であれば、あえて名前をつける必要はなく普通名詞でよい。唯一であるということは既知であるので the をつける。
- There are lots of dark clouds in the sky.
動作目的
work / bed など「… しに行く」という場合は、何かの物を表しているのではなく動作目的を表す。この場合には冠詞はつけない。
- I got to work at 10:00. 働き始めた
- I went to bed at 23:00. 就寝した
- breakfast / lunch / dinner
- I had lunch at 13:00.
- school / class / college / university
- I was in class at 15:00. 授業中
- church / hospital / prison / court
- I go to church on Sunday.
動作目的ではなく、人や物を表すなら冠詞は必要になる。
- I bought a bed.
- The dinner we had yesterday was very nice. 昨日の夕食
- The teacher asked the class to be quiet. クラスの生徒達
自然界
自然界で唯一のものには the をつける。
- the universe / the sun / the moon / the Earth
- the sky / the sea / the ocean / the ground / the equator
ただし、時空 time / space や、宇宙空間 space (of the universe) の意味での「宇宙」 space には the つかない。 the space は特定の隙間を表す。
- There are billions of stars in space.
- The space is too small.
the が付いて特定の意味になるものもある。
- the country 田舎
- the environment 自然環境
地名
地名の冠詞については、例外があるので覚えた方が良い。以下に大まかな傾向を示す。
以下には the はつけない。
- 大陸: Africa / Asia / Australia / Europe / North America / South America
- 単独の島: Scandinavia
- 単独の山: Mount Fuji
- 単独の湖: Lake Victoria
複数集まっている 諸島 / 山脈 には the をつける。
- 諸島: the Hawaiian Islands
- 山脈: the Alps / the Andes
- the Great Lakes 五大湖
川 / 海 / 運河 / 砂漠には the をつける。
- 海: the Atlantic Ocean / the Pacific Ocean
- 川: the Amazon / the Nile
- 運河: the Panama Canal
- 砂漠: the Sahara Desert
国名は、連邦/合衆国/共和国のように複数地域が集まった名前には the をつける。そうでない場合は原則つけないが、例外もある。
- the United States / the United Kingdom
- the Czech Republic
- the Philippines / the Netherlands
- Brazil / France / Japan
- the Lebanon / the Sudan
市 / 地区には冠詞がつかないが、例外もある。
- New York / Paris / Tokyo
- the Bronx
地域は northern / southern / eastern / western には the はつかないが north / source / east / west には the がつく。
- Northern Europe 北欧
- the Middle East 中東
- the Far East 極東
家族名には the をつける。
- the Rockefellers / the Rockefeller family
- the Kenneys / the Kennedy family
品種
そのものではなく、品種名を指す場合には、単数形に the をつける。
- 動物種: monkey / dog / giraffe / …
- The monkey is a clever animal.
- 楽器: piano / guitar / …
- I can play the piano.
- 機器(発明品): wheel / telephone / computer / bicycle / …
- The telephone was invented in 1876 by Alexander Graham Bell.
- 通貨: dollar / euro / yen
- The yen is the currency of Japan.
伝達手段
伝達手段 phone / radio / internet には the をつける。ただし television / TV は無冠詞になる。
- I got the news on the internet.
- I talked to him on the phone.
- I often listen to the radio.
- I often read the newspaper.
- I often watch TV.
新聞について勘違いしやすいが the は特定の新聞一刊を指すのではなく、新聞というメディアを指す。「新聞を読む」という行為では the newspaper を使う。読み物や紙としての新聞を指すときは paper を使う。
場所名
道 / 公園 には the はつかない。
- Central Park
- Fifth Avenue
地名や人名がついたスポットにも冠詞がつかない。
- Kennedy Airport
- Tokyo Station
- Boston Unversity
建物名(ビル/ホテル/博物館)には the がつけられる場合が多い。 … of … のように of が含まれる時には the がつく。
- the Empire State Building
- the White House
- the Sheraton Hotel
- the Bank of England
- the Tower of London
- the University of Michigan
McDonald’s のように人名から始まる場合は the はつかない。
社名 / 組織
社名は固有名詞となるため the はつかないが、組織や報道機関には the がつけられるものがある。
- the Financial Times
- the British Broadcasting Corporation (BBC)
季節
季節の括り spring / summer / autumn / winter には冠詞はつけない。 AmE では the をつけてもよい。
- I go swimming in (the) summer.
特定の季節や of … を伴う時は the をつける。
- The spring of life
- The autumn of 2000
形容詞をともなう時は a をつける。
- It’s gonna be a hot summer.
形容詞として使われる場合は、もちろん文脈に依存する。
- I went to Japan during the spring break when I was 18.
- He’s on summer vacation.
無冠詞になるもの
- 言語
- He speaks English well.
- スポーツ / ゲーム名
- We played baseball yesterday.
- 学問
- I’m learning economics.
- 役職
- She was promoted to manager. マネージャという役職(枠)
- The manager asked me to type a letter. 人物を指すときは、冠詞は必要
The + 形容詞
the young (= young people) 「若者」のように the + 形容詞 だけで特定の人々表すことができる。
- the young / the old / the elderly / the aged
- the rich / the poor / the unemployed / the homeless
- the sick / the injured / the dead
- the disabled / the deaf / the blind
形容詞なので、名詞と考えて複数形にしないように注意する。
国の形容詞が -ch / -sh / -ese になる場合 the + 形容詞 でその国の人々を表すことができる。
- -ch / -chman: The French / a Frenchman
- -sh / -shman: The English / a Englishman
- -ese / -ese: The Japanese / a Japanese
Swiss は形容詞も同じなので The Swiss / a Swiss になる。
その他のケースでは「…人」の名詞の、複数形による一般名を用いる。
- Americans / an American
- Italians / an Italian
- Mexicans / a Mexican
- Thais / a Thai
- Filipinos / a Filipino